気象庁で公表されている地震データを利用して
その波形解析をして比較してみました。
震度と経過時間のグラフは以下のようになっています。
長野県北部地震は長野県小谷村、東北太平洋沖地震は宮城県栗原市のデータです。
このデータでは驚くべきことに、人がはっきりと地震だと感じる震度3以上の地震が
長野では50秒程で、東北の場合はなんと6分程と長かったことです。
最大震度を記録したところを中心に
フーリエ変換という数学的手法を用いて
各地震の波形データから周波数成分を分析したのが
下のフーリエスペクトルです。
グラフ中の数字は、卓越周波数と呼ばれるもので、そのなかでのTOP5程を示したもの
です。
(この解析はエクセルと使って自分でやったので細かい突っ込みはなしの方向で)
周波数1Hzより小さいものは短周期振動、
1Hzより大きいものは長周期振動と言われます。
一般に低層建物は低周波振動に対して弱く
高層建物は長周期振動に弱いと言われています。
現在の高層建物はこの長周期振動に対して
対策がなされいるので壊滅的な被害は少ないと予想はされます。
一般住宅を含む低層建物は、特に昔からある建物の場合
短周期振動に対する対策をしていない場合がおおく、
上図の長野県地震のように短周期側に卓越周期が多い場合
被害が多くなる傾向があるのではないかと思います。
東北地震の場合は長周期側に卓越周期が多く、また時間も長かった結果
津波規模を助長した要因の1つではないのかなと個人的には思っています。
昔から怖いもののたとえで
「地震・カミナリ・火事・おやじ」
というのがあり、まさにその通りかと思います。
地震の発生を防ぐのは不可能です。
でもその発生予想の精度を上げる事と被害を少なくすることは可能です。
特に東北の震災後
被災地で仕事をしないかと、たくさんお誘いを受けたのですが
弱小会社のため、赴くことはありませんでした。
その後、知り合いの大学の先生が現地に乗り込み
ボランティアで被災地内を自転車を利用して
調査に回っていたとの話を聞いて心が痛みました。
その時のために力を蓄えねばと思う常日頃です。